第11章 2005年!8度目のキューバ生活


その1)  成田、ヒューストン→カンクンびっくり事件

 

 いきなり年月がたって今年のキューバのエッセイになっていますが、そんなことは気にせずにこれを読んでくれる読者の皆様、ありがとう!(強引)

さて、今回のキューバ、8度目ですよーー。8度目!ってすごいよね。人事みたいに思うけど、もしこれが私じゃなかったら「あなた大丈夫?」くらいいいたいかも。。。。
 今回のキューバはね、「キューバってこうなんだよなー」って言う感じの妙に納得せざるを得ない事件がおきて、「人生あきらめも肝心だ」ということを学んだような気がします。まぁでもこういう話はあとあと書くとして。
実は行きの成田ですごい事件があったのだ!私とSIORINは、コンチネンタル航空のチェックインを済ませ、出国審査もすいすいっと通り、さぁ搭乗しようと待っていました。
 自分たちが乗り込もうとチケットを見せたその時、担当の人が私に「鈴木さん?!」っていうのね。
 私は、「まぁーーた、SIORINと私を間違えてるよ」て思ったんだけど、、、、自分のパスポートを見て、びっくり! そう私はなぜにか?しおりんのパスポートをもっているのです。。。そしてSIORINが私のパスポートを、、、2人で「一体いつ持ち違えた?」っと同時に口に出したんですけど。。思いつくのがチェックインの時しか無いのです。
 そう、コンチネンタルのチケットを渡すお姉さんが、私とSIORINのパスポートを反対に渡していたってことですね。
 だけど、ここで私たちは更にすんごいことに気がついた!それは、、、  「出国審査もパスポートが反対だった」ってこと。
 思わず「いいのかよーー成田空港!」って感じで叫んじゃいました(笑)。 いくら似ているとはいえ。。これはないでしょ?

 まぁそんなこともあって、無事にアメリカに到着、(12時間これが長いんだよねーー)で、そのあとのヒューストンからカンクンまでの飛行機で第2の事件が起きました。
 私は寝言をいうって言うのは結構色んな人に知れ渡っていると思うのですが、、、 なんと今回、飛行機の中で、寝言を言ってしまったのだ!! しかも「むにゃむにゃ」とか「うーーーん」とかそういうかわいいやつじゃない。 何と私は・・・・・・
 「死ね死ね死ねーーー!」と叫んでいたのだ。(さ、さむいいいいーーーー!)
 それを叫んだ瞬間、叫んだのはじぶんのくせして「はっ!!」と大声に反応して起きた私。。。後ろの席の日本女性たちが「今の、、、、何?、、、死ね死ねって。。。」って思いっきりひいちゃっています。
 「私?やっぱり私が言ったの!?」と信じたく無い思いで、横にいるSIORINに「ねぇねぇSIORIN!私今なんか言った?」って聞くと、SIORINは寝ぼけ眼で「なんかねぇーー。死ね、死ねーーって夢の中で聞こえてましたけどぉー。」っとのんきに言います。(大物。。。)
 どうやら夢の中の許せない男(誰なんだ?)に対して「お前なんか死ね死ね!」って叫んだんですけど、、それが本当に声に出たらしく。
 私は到着するまでも到着してからもけっして後ろを振り向きませんでした。ハイ。
 そんなこんなで、カンクンに到着。そこから無事ハバナに向かったのでした!

 

 


その2)  ハバナは変わったか?防犯対策 BY まちゃこ

 

 もう皆さんご存知のことと思うのですが、現在キューバでは米ドルが使えなくなっています。
 もうキューバのドル、「ペソコンティブレ」とキューバのペソしか使えません。ゆえに日本から行く時は、米ドル、カナダドル、円、などを持って行き、キューバについたらキューバのドル「ペソコンティブレ」に両替しないとならないのですね。

 ホセマルティ空港に着くなり、私とSIORINはさっさと両替所で、両替したからよかったのですが、夜に到着すると、両替所は1箇所しかあいておらず、のんびりしていた人はどうなったかというと、とんでもなく長い列に並んでいました。。
 ほんと、結構(いや、かなり)時間がかかるため、入国したら荷物より先に、とにかく両替所に早めに並ぶのがいいとおもう!(2人で行ったんだったら二手に別れて荷物と両替を別々に担当するのも手!)
 両替はハバナの銀行やホテルでももちろんできるんだけど、まず空港からハバナに出るまでにタクシーに乗らないとならなかったりするから、どうしても空港で両替しないとならないんだよね。それに銀行はまた待ち時間がながいから、一番便利なのはクレジットカードを持っていってホテルか、銀行の前にある自動の機械を使ってお金を出すほう方がおすすめ。
 そして日本からもっていく通貨は、今は円がいいらしいです。米ドルは私とSIORINが滞在してた、3月から4月初旬までは10%の手数料がかかっても、日本からだと円高だったため結局はお得だったんだけど、今(2005、4月)は、もう米ドルは一番高くつく通貨です。なんと両替のときの税金が18%まで上がってしまいました!
 まぁこの状態もまたいつ変わるかわからないから、キューバに行く時は現地に詳しいHPなどで要チェックですね。
 ただ、これからのキューバ旅行は、ますます旅行者には高くなるように思います。
 そして確かに、私がはじめてキューバに行ったころよりもずいぶんと治安は悪くなっているようす。。。。とはいえ、正直言うと私自身はあまりそういうふうに感じてません。
 なぜならまだ危ない目にあったことがないからだとおもう。以前からタカりの人々はいっぱいいましたし、ひったくり位の事件だったらよく聞いてたし。
 私は思うのです。絶対キューバ人は頭がよい。だから、ひっかかりやすそうなヒトをすばやく見抜いてるんです。
 人がいっぱいいるところには絶対スリがいます。(間違いなくいます)わかっていてもすられる人はすられる。 本当にしっかりすられちゃってる。私もカサデラムシカで一度だけ今回危ない時があったのです。でもSIORINが阻止してくれたんだけど。
 演奏が終わってみんなでどっと、出口に向かうとき、私の手がふとバックから離れたそのときに、黒人の女性の手がのびたらしいのです。(SIORIN談)なんと、カサデラムシカの店員が、そばにいたのにそれにも関わらず、私のかばんを開けようとしたらしい!?! ね。人ゴミにはスリがいる。ってほんと絶対なんです。
 あと、暗闇とかを歩くときも注意。囲まれたら最後らしいです。私は、そういう所をあるかないとならないときは、自分から「殺気」を出してあるいてます。(笑い事じゃなくて!まじだよ)
 あと、どんなに友好的に近づいてきて、本当にいい感じの人だったとしても、気を許さないこと。踊ったりして楽しいとつい、気が弛んじゃうけどね。そこを狙ってたりもするからねー。
 旅行者のバッグの中には絶対にドルが入っている。。。それはものすごく魅力なのです。(スリにとって)でもてぶらで歩くわけにも行かないですよね。だからこそ「細心の注意」もかばんにしっかりもって出かけないとなら無いってことですね。
 運がいいのか、私は今までそのような被害にあったことがないんですけど、強盗なんかも道にいるらしく、あるいてる日本人を突き飛ばしたりして、バックを持って行くらしいんです。キューバは安全な国。ということは今はもう、無いと思います。

 みなさんも本当に充分に気をつけてキューバを楽しんで欲しいとおもいます。

 

 


その3) メインのダンスレッスン!

 

 今回のキューバ、とてつもなくいいバンドにめぐり合えたわけでもなく、まじライブはもうちょっと、、、いまひとつ、って感じが多かったのです。私とSIORINは、その分の情熱をダンスレッスンに燃やし尽くした?って感じの滞在になりました。
 私としては今回、メインになるのはサンテリア。今まで3年間悩みに悩んだ色々なことを「今回で絶対クリアにしてやるんだ!」って意気込みで臨みました。
 去年から続いて、チャンゴーをヨルバアンダボのペドロに、その他のサンテリアをコンフントの2人の先生(男女)に習う事にしました。 そのほかにも、モダンダンスと、キャバレーダンスを1日おきに入れ、大体1日、3,5時間か4時間レッスンにあてました。
 そして毎朝1時間が自主練習TIME!
 毎日毎日ホント、よくもまぁ踊ったもんだ、って感じです。何度も書いていることですが、私は超負けず嫌い、こんな私が、ダンスでわからないことを1年も持ち続けて悩んで日本で生きて、そして1年後に、またそのわからないところからはじめないとならない、という、とてつもなく時間をかけてゆっくりと先に進むダンスレッスンは、私にとってはもう本当に「一生かかっての人生勉強」に近いものがある。
 でも私は信じているのです。どんなに難しいステップもムーブメントもキューバ人だからできるとか日本人だから無理とか、そんなことは絶対ないって。
 時間はかかっても間違いなく、「人間ならできるんだ!」という信念を持ってレッスンにのぞみます。(いつも)
 正直、私はいつもあまりに真剣なため、先生たちからは「まじめなやつだ」と言われることが多いんですね。SIORINもまじめだけど、彼女はいつも「にこにこ」してて、「シオリーーー!!」とか可愛がられているけどねー。私の場合できないと顔が恐くなるし、先生に納得いかないことを説明されたりすると「どうして!そーーーなるの!?」っというようなことを言うので、男の先生たちにはちょっと「マサコこわーーー!」って思われていたかもしれない。(ああ、自分でもコワイ)
 でもねー。やっぱりレッスンは真剣勝負だよ。お金払って習うんだもん、なんにも逃したくない。先生の言うことすべて聞き逃したくないし、私のよくないとこ全部言って欲しいし。それに先生が望むこと(私に)は、しっかりと応えてあげたい!
 ただそんなわたしでも気がのらないときがある。
 それは先生が遅刻したときだ。キューバ人はルーズとかいうけど、実際はそんなの人による。日本人だってルーズな人もいればまじめに時間きっちりな人もいるでしょ(私はきっちり派だけどさ)。
 私は理由がどうであれ、あまりに遅刻されると非常に機嫌が悪くなる。そしてそれが顔に出てしまう。一度キャバレーダンスの先生が遅刻した時、いいわけしてきたからむかついてそっぽをむいてやったら、その先生(男)は私の手をとって自分のおしりにペンペンとやった。が、そんなおちゃめな行為をされても許せるわけが無い!!
 難しいのは、ちゃんと毎回時間どおりにこなくても、内容的にはいいレッスンをする先生が存在するってことなのかもしんない。。
 しかも、わけわからんのは、そういう人に限って、今度自分がノってくると、こっちが頼まなくてもいい時に「延長レッスン、これは俺のサービス!」とかいって30分も延長してくる。
 うれしい、うれしいけど、やっぱりそういう時は、次のレッスンのまじめな先生は、また30分を待つ派目になったりする。。。(うまくいかない)

まったくもってキューバでのレッスンと言うのは、、、、、、、笑ってしまうしかないところがあるのです。

 

 


その4) キャバレーダンス奮闘記!

 

 私がキャバレーダンスらしきものを踊り始めたのは、今から2年前のキューバです。(つまり2003年)その頃、サンテリアを教えてくれてた先生が「マサコあんたは、もうポピュラーダンスをひとおとりできるんだから、キャバレーダンスもやんなさい!」といって若い女の先生を紹介してくれたのだ。
 その女の先生は名前が「OTOMI」といって、まるで「お富さん」だねーと笑っていたんだけど。
 若いくせに超厳しかった!
 チャチャチャの振り付けなんか、ありえない回数のチャチャチャ回転(連続7、8回)を入れた、激速いキャバレーダンスを踊らせるし、マンボもなんだかとっても厳しかった。
 ただ、正直に言うと、教えるのがあんまし上手くなかった。
 これはとっても大事なことだから書く。サンテリアのその先生は教えるのがとっても上手いから、私はきっと「紹介してくれる先生もいい先生に違いない」とか思っていたのだ。
 しかし!これはキューバでは大はずれなことが多い。(確率として)
 いままでも、そういうことがあったけど、、、これを私は「魔の先生紹介の法則」と呼ぶ事にする。
 **魔の先生紹介の法則とは:とても教えるのが上手い先生が紹介する次の先生が教えるのがうまいとは限らなかったりする。ということ**
 とにかく、若いからなのかなんなのか、あまり教えるのが上手くなかった。その人はTVで踊るキャバレーダンスのダンサーだった。
 でもレッスンの最後に「あなたは私のクラスが好き?」って必ず聞いてくるから、「好き」って言ってた。(←まぁ嘘では無いよ。可愛い人だったしね。)
 その年は彼女に習って、大体の動きを学んだけど、正直「来年も習おう」とは実は思ってなかったんだ。足りないものがなんなのかがその頃には私にはわかっていた。
 そして去年、私は誰に習おうかと思案した。そのときのサルサの先生が「いい人紹介する」って言ってきたけど、「これはあの、魔の法則に違いない!」と私は勘で見抜いてしまった。(あとでそれが間違ってなかったと気がついたけどね!)
 しばらくして、カサデラムシカに行った時、自分の中で「あ!このキャバレーダンス好き!」って思える振り付けのものが踊られていた。
 それはルンバをショーダンスにしてあってとても楽しくて明るくて、、、しかも、なんだろう。とっても洗練されてる感じだった。
 去年習った彼女の振りとはイメージが「全然」ちがうし、それに、、、、これはあとでわかったことだけど、「トロピカーナ」で見たキャバレーダンスよりも自分の目にはずうっと新鮮に映った。
 一体誰の振り付け?と思っていたら、その人はなーーんと私のコルンビアとマンボの先生だったのだ!
 それで翌日からキャバレーもその先生に習うようになった。
 今ではもう、ずいぶんと習った気がするけど、やっぱりすごく私には合ってる教えかただし、先生の動きも表情もすごく気に入ってる。
 キャバレーダンスを真剣に1時間もやると、体が軽くなったような感じになる。自分が一段上にいるような感じだ。 それは背のびをして踊っているからだけではない。(キャバレーはかかとを上げて踊る)
 気持ちの問題!自分が大きく、そして伸びやかに踊るためには気持ちを上に、明るくもってないと表現できないからだと思う。
 ここでMACHAKOから見た、キャバレーダンスの先生にはどんな人が望ましいか!を書いちゃおう。(自分もこういう人になりたいし。)
 言うまでもないキャバレーダンスは振り付けのダンスである。サンテリアやサルサとはまた違った「その人のセンス」がすごく大切だと思う。
 うまく踊れる人がいい先生では、、まったくもってない、と思う。まったく。。。。「踊れる」のと「教えられる」のとじゃ全然違う!

 まずチェックしたいのが
① カウントが間違って無いか。
ということだ。キューバ人はえてしていい加減(ごめんよーー!)だったりするこのカウント!でもキャバレーダンスは、ティエンポだったりコントラティエンポだったりがぐちゃぐちゃに混ざっていたりする。それが魅力!それだからはっとするし、どきっとする部分があるのだな、だから、1カウントずれ込んだだけでもキメの部分が変わっただけで見た目とか雰囲気がめっちゃ違って見えたりするんだよ。その1カウントが命取り。(ホント!)
だから、「さっき言ってた事と違うじゃん!」っていつも思う人に当たったら考えもんだとおもう。習ってるほうが迷ってきちゃうんだよね。迷っていていいダンス踊れるわけがないよ。

② 教える振り付けにイメージを持っているか?
すごーーく大事なことだけど、ただ、さあ、ここはマンボ、ここはサルサ、ここは、、っていうのじゃなくって、なんか振り付けに意味、とかそういうものを説明しながらやってもらえると私は楽しかった。
この歌詞はこういうことを言ってるんだから、じゃあここはこういう振りでやってみよう!とか言われたときは「あ、この人センスあるな」って思った。一度こうしようと言われても、やっぱりこうだからこう変えてやってみようってね。
そういうことで自分も学ぶところが多かった。臨機応変に、それでいて更にいい方向に振りを進めるセンスってやつだとおもう。それに1曲大体通して振り付け教えてくれる人のほうがいい。「流れ」ってものがわかるからね。

③ 生徒の情熱を引き出せるか?
その生徒の持ってる力以上のモノまで求めてくれる人がいい。たとえ大体できていたとしても「まだまだやれるぞ、なにやってんだ?」くらいの。
キャバレーダンスの表現力ってダンスがうまいとか、バレエができるとか、振り覚えるのが上手いとかそういうのだけじゃ、全然ない。
舞台で輝いてる人は、そんなものじゃないまったく別のもんを持ってる。
背が高いとか脚が長いとか、、、、スタイルがいいとか、、、そういうのもちろん!あるに越したことはないんだけどね。
 でも私、何人も「小さくて足も手も短いけど誰よりも輝いて踊ってる」ダンサーみたよ。(さすがにトロピカーナにそう言う小さい人はいないけど。。。)迫力みたいなものをそういうひとは持ってるんだよね。
 私の先生の言うところのエナジーってやつ。たっぷり。
 1つ1つの動きが、びんびん!って迫ってくる。
 なかなかどうしてそういうふうには踊れないと思うよ。それには本人のもつ「華」みたいなものが必要だもん。でもそれって練習したからとかダンスがうまきゃ出てくるもんでもないんだよね。
 これはなかなか先生でも教えてくれないところです。でもそれ以前の「情熱」を引き出すことは先生にできる部分。これが出来る人に私はあたってよかったーーー!っと思う。
 そんなこんなで、キャバレーダンスは、とっても難しいワケだ。追求し始めたらキリが無い。
 それでもって私は今、エキソチカスとかハマチカスに振り付けしているけど。習ってきた事をそのまま教えてるわけじゃないんです。
 ジャズダンスなんかでもそうだったんだけど、1人の先生に習ってるとその人に似てきてしまうでしょ?だから敢えて、私なりの味付けをかなりしているの。私の先生は「これはお前のために作ったたった1つの振りだからそのままこの振りを日本で生徒にやっていいよ」とかいうけどね。
 振り付けの順番、雰囲気なんか、絶対まねしない!って決めてる。
 そうして教えてるとなんだろう「あ、これは私だけが思いついたに違いない動きだ!」ってものに時々、どっきりっと出会うことがあるんです。考えなくてもね。
 そういう時、私ほんと嬉しいんだよね。

 日々発見のダンス。それが私にとってのキャバレーダンスです!